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アッチャー!? インド生活
これからのインド生活が アッチャー(ヒンディー語で「良い・素敵」)なるか、 はたまたアチャチャ…になってしまうのか? →結果:ボハット アッチャー!!インド生活!《インド生活、ムッチャええ~!》第二弾日本生活ブログは『布団が吹っ飛んだ!』です。
出生前検査
「出生前検査」という言葉をご存知でしょうか?妊娠中にお腹の赤ちゃんに病気が無いかどうかを調べるための検査のこと。胎児の病気の早期発見と出産後の迅速な対応・治療計画が目的である、というふうには説明される。でも、あまり公にはされないけど、母体の安全上「異常があった場合、産むか産まないか」の究極の選択が、極短い制限期間内に迫られる場合もある。

一般的に知られている出生前検査には、血液検査(トリプルマーカーもしくはクアトロマーカー)や羊水検査がある。日本では、両検査とも所謂「オプション検査」であって、基本的には必要ない場合にはしない場合が殆ど。また検査する場合でも胎児の両親への説明をしっかり行った上で、その結果どういったことが起こりうるのか、といった深刻な場合も含めて話をし、最終的には親の判断にゆだねられる。

この出生前検査に、まさに死ぬほど思い悩み苦しまされた…。私の通う病院の先生は「出生前検査」をオプションではなく「基本的な検査」と捉えているようで、なんの説明も無く、「じゃ、この時期は病気を調べる血液検査ね」と軽く言った。
検査費用は3000Rs(約9000円)で、かなりの高額な検査だなぁ、と不審に思い、「特に異常が認めらないなら、しなくても良い検査はしたくないのですが・・・」と言っていても「大丈夫よ、赤ちゃんのことが詳しく分かるから」と簡単な返事。

採血・検尿・超音波検査・生年月日や最終月経データから割り出される、5日後の検査結果。
「先天性異常の可能性1:60 異常の確立高し」
つまり60人妊婦さんがいれば59人は正常だけど、1人は異常胎児を生む可能性がある、ということ。

こういう場合、みなさんならどう考えるのだろう。60人に1人なんて低い確率だ、と考えるか、高い確率だと捉えるか。そして、自分はどちらサイドに含まれると想定してしまうか・・・。

きっと自分1人の身のことなら「大丈夫」と楽観視できるかもしれない。でも、お腹の中の別の命の話しとなると全く別だ。もう精神的にはグラグラだ。まさに自分がその「60人の1人」であるかのように感じてしまい、赤ちゃんのことが心配でならなくなる。考えても考えても涙が溢れ、どうしようもない悲しみと、どこへ向けて良いかも分からない怒りと、「あの時あんな薬を飲んだからかも・・・」と自分を責める感情。
どうしようもなく不安で、膨らんでいるお腹がしぼんでしまう恐怖から逃れられない。

「とにかく羊水検査をしなさい。そうすれば98%の確立で異常の有無が分かるから」という担当医師。「もし異常が認められればどうなるんですか?」と聞いてみた。
「残念だけど堕胎をすすめるわ。どっちみち長生きできないし、後期に流産するかもしれないから」との返事・・・。そして紹介された「先天性異常の権威」といわれる先生の元を訪れた。
国立サー・ガンガー・ラム病院
DSC03736.jpg

流石は権威だけあって、データの不明瞭点にすぐに気がついて「待った!」をかけてくれた。最終月経データと胎児月齢は本当にあっているのか?
超音波検査・血液検査のデータは同じ時期のものか?
そして、先生は羊水検査の危険性もしっかり説明してくれた上で言った。「もう1度血液検査と超音波をやり直しましょう。その結果の上で羊水検査を考えればいい」と。

唯一助かったのは、母が一緒に付き添っていてくれたこと。せっかく、インドに来たのに、こんな辛い検査に立ち合わせて申し訳なかったけど、不安でつぶれそうな私にとっては、1人で病院に行き、検査結果を待つだけの勇気はなかった。

結果「羊水検査の必要なし。異常確立きわめて低し」。
全身の力が一気に抜けて、睡眠不足だった疲れがドッと押し寄せた。「良かった、本当に良かった・・・」その一言に尽きる。一時は本当に「赤ちゃんともこれでさよならだ」と絶望的になっていたから、余計に改めて「生の有難味」を感じた。お腹の中で生きていてくれるだけで良い。無事に生まれて来てくれさえすれば、それだけで最高だ、とただただそれだけを想う。

「出生前検査」。「検査をする・しない」には色々な考え方があると思う。でも、きっと軽い気持ちで受けるべきものではない。ましてや、何の説明もなしに妊娠検査の「基本パック」にするなんてことは、あまりに軽率であるとも怒りを感じる。
インドの病院でも先生によって考え方は色々だ。「必要ない検査はするべきではない」という考え。「検査でわかるものは全てクリアーにさせたほうが良い」という考え。
夫婦でしっかり考えて自分達にあった考えを選ぶべきだと思う。

今回、偶然にもあまりに簡単に受けてしまった「出生前検査」。インドで妊婦検査を受けられる方々、自分の意思で「したくない検査はしない」と言わなければならないケースがあるかもしれません。日本とインド、宗教も文化も異なるんだから、生命への捉え方や胎児医療への考え方も異なっているのは当然だと思う。その違いが妊婦検査においても云えるということを知っておくべきだと思います。私は既にやってしまったけど、不必要に涙を流し、不安定になったりすることが無いように。
DSC03738.jpg

でも、今回も前向きに捉えるならば、命の重さや障害への向き合い方を真剣に見つめなおす機会でもあったといえる。
あぁ神様、どうか、無事に産声を聞けますように・・・
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[2007/12/23 21:22] | インドで妊婦生活 | トラックバック(0) | コメント(5)
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コメント

母親なら妊娠中に誰しもが抱く不安ですよね。
私も大きな不安に襲われたときがありました。
検査に対する考え方はいろいろあるでしょうけど、私は1度も受けませんでした。
3度の出産で、『いのち』への畏敬と感謝の気持ちが強くなった気がします。
でもここでは文化のちがいで苦しまれることも多くて大変ですね。
楽しいマタニティーライフのお手伝いができでばいいんですけど。
今度ゆっくりお茶でもしましょう!
[2007/12/24 04:24] URL | 3匹のこぶたん #- [ 編集 ]

お腹に赤ちゃんがきてくれてから、産まれてきてくれるまで
毎日毎日が不安だらけだった気がするなあ。
出産本読めば読むほど、不安倍増だったし。
検査の考え方も、国や医師によって全然違うんだね。
このインドで授かった赤ちゃんやで、逞しいはず!!
って私は思ってます!



[2007/12/24 23:02] URL | またたび #- [ 編集 ]

この検査、日本ではちゃんとリスクも説明をされて、年齢による確率も言われたよ。
私の年齢だともともとが1/260の確率だって。結構高いことにびっくりした。

1/60って、言われて心配したね…。
私はこの検査受けなかったけど、その理由はやっぱり同じように悩むと思ったから。
羊水検査をしたら1/30の確率で流産するって言われたから、それは嫌で、そうすると
できるのが血液検査だけど、それでは結局確率でしかでないもんね。例え1/2の確率と言われてもそれまでお腹で育っていて、エコーで見てしまっている子供をなくすのは考えられなかった。それなら、知らないほうがいいよね。
どんな子であれ、自分達のもとに産まれてきてくれたなら受け入れるべきだと思ったよ。

そんな大切な検査をたいした説明もなしにしてしまうなんて国によって違うね。
でも、権威の先生に診てもらえて、安心できて良かったね。
心配をせずに、無事に産まれますように!!
[2007/12/25 01:02] URL | makimaki #IH1A5hso [ 編集 ]

こういう検査は本当に難しいですね。私も17年前に、するかどうか、聞かれましたが、検査は受けませんでした。私の友人には二人、障害を持って生まれたお子さんを育てた方がいます。生まれたそのときは、もう誰にも会いたくないほどに、つらいときを過ごしていましたが、今では、その子供たちも立派に育ち、お母さんたちも大変であったでしょうけれど、明るく幸せにしています。一人の友人が言っていましたが、障害を持った子供を育てるのに、一番大事なことは夫婦の絆だと。自分たちが授かった大切な子なのだから、頑張って育てよう、、、という気持ちがあれば大丈夫、、、と。でも、結局、それは、障害の無い子であっても同じことですよね。障害が無くても、子供は大きくなっていく過程で、色々な問題を親に投げかけてきます。どんな子育ても大変ですが、それを通して夫婦も親子も絆が深くなっていくのですから。

神様は、それぞれの子供にふさわしい親をを選んで、与えてくださいますから、心配しないで出産のときを待ち望んでくださいな。大切な、あなた方ご夫婦の3人目の赤ちゃんであり、鉄男ちゃんやチー子ちゃんのきょうだいなのですから!!
[2007/12/25 18:34] URL | たべすぎ #- [ 編集 ]

v-73<3匹のこぶたんさん
そうですね、妊婦さんなら誰しもが抱くこの不安。そして、妊娠・出産って「いのちの重さ」について、自分の身を持って知ることができる、本当に貴重な体験ですよね。
今回、出生前検査で、日本とインドの考え方の違い(この場合、病院・医師によってであり、インド人全般とは言えないと思いますが)を改めて感じました。
3度の妊娠・出産を経験され、立派に子育てされている「こぶたん」さん、母親業の大先輩でもあられ、是非ゆっくりお話を伺ってみたいです。

v-73<またたびさん
確かに、妊娠・出産の本や知識って色々あるし、人によって感じ方も違うから、自分で経験してみるまでは不安ばかりが膨らむよね。「陣痛の痛みは生理痛の1億倍」とかさ・・・(笑)
「インドで授かった命、逞しいに決まってる!」かぁ。ありがとう。ホンマ、その通りよな。
そう信じて、出産まで心穏やかに過ごしたいと思います。
またたびさん、残り少ない日本滞在、しっかり悔いのないように食べまくり、買いまくるんやで~。戻ってきたら遊ぼうな。

v-73<makimakiちゃん
そうそう、私たちの年齢だと、もともとのリスクの確立が意外と高くなるんだよね。説明なしの検査実施だったし、結果が出て高いリスクの数字を見せられ説明されても、冷静なんかではいられなかったよ。私も検査内容についてちゃんと理解していれば、出生前検査は絶対に受けたくなかったなぁ。makimakiちゃんと同様で、エコーで元気に動く姿を見てしまったら、もう「我が子」への愛情は動かしがたいものだしね。
検査を受ける・受けないも、検査結果によって産む・堕胎する、の選択もどちらも苦しい過程であり、各夫婦の真剣な考え方に基づくものだから、どんな選択であれ、非難も出来ないし、するべきでもないと思います。
ホント、妊娠・出産医療はお国によって違うよね。そういう意味ではハンガリー・日本・インドと経験できて、貴重な体験だよね(笑)
権威の先生は、検査データだけに惑わされない、自らの経験に基づいて判断してくださるありがたい方でした。そんな医師と出会えて良かった。
makimakiちゃんの出産報告にも大いに励まされたし、私も頑張るからね~。

v-73<食べ過ぎさん
子育ての大先輩である食べすぎさんからのメッセージ、心に響きます。
確かにそうなのでしょうね。生涯の有無に関わらず、どんな子育ても大変で、その過程で
親子も夫婦も育っていくんですよね・・・。
鉄男もチーコも新しい仲間の誕生を本当に待ち望んでいます。グラグラしないで、自信を持って「母は強し」で頑張ろうと思います。ありがとうございます。
[2008/01/01 03:27] URL | aranyos #- [ 編集 ]
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プロフィール

aranyos

Author:aranyos
2006年4月家族でインド亜大陸に上陸。
心優しい夫のA-さん、鉄道大好きな息子の
鉄男、プリンセスにあこがれる娘のチーコ
と私に加え、インド生まれのピー助の5人家族。
インドでの目標は
*サリーを作る→次は着られるようにならねば!
*パンジャビスーツを作る→済み
*ヒンディー語にトライしてみる→講座終了
*インド料理を作れるようになる→修行中
*デリーにある全遺跡制覇→日々徘徊中
*国際交流の輪を広げる
「郷に入っては郷に従え」をモットーにインド
生活を楽しむぞ!

2010年10月15日を以て、インド生活に幕を下ろしました。
インド生まれのピー助が成人する2028年に、再びインドの地を踏みたいです!「インド再訪貯金」頑張るぞ~!
本帰国後、新たに、犬の「福ちゃん」も家族に加わりました!
《結論》
ボハット アッチャー!!インド生活!
(インド生活 最高です!!)

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