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アッチャー!? インド生活
これからのインド生活が アッチャー(ヒンディー語で「良い・素敵」)なるか、 はたまたアチャチャ…になってしまうのか? →結果:ボハット アッチャー!!インド生活!《インド生活、ムッチャええ~!》第二弾日本生活ブログは『布団が吹っ飛んだ!』です。
バラナシ旅行~その1~
先月末、インドはダシャラの祭日があったので、家族&お友達とバラナシへ旅行してきた。ホテルに着くなり、ピー助と鉄男が39度を超える発熱で寝込み、休み休みの観光になったけど、聖なるガンガーも拝み、「何故人々はそれほどまでにバラナシに惹かれるのか」の疑問が晴れたようで、とても有意義な旅だった。


デリーからエアーインディア機に乗り、ちょっとした軽食を食べる。豆コロッケが美味しかった。
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デリーからたった1時間半の空の旅でバラナシに到着。
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バラナシに着くなり、デリーよりも暑く感じ、ムッとする蒸し暑さに驚いた。バラナシ空港。
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普段は、旅行の祭にガイドはお願いしないのだけど、お友達の紹介もあり、今回、初めてガイドさんを頼んでみた。車からボートやホテルの手配と、全てお任せ出来て、しかも嬉しい日本語の説明付き。今までずっと溜まっていた疑問に対して、極めて明瞭な回答を得られ、インドの奥深さを改めて感じることが出来た。数々の疑問とその回答は後々…。

まず、街の名前「バラナシ(VARANASI)」とは比較的新しいもので、ワルナー川(VARUNA)とアッシー川(ASSI)に南北を挟まれた街であることから名付けられたそうだ。
神々の山であるヒマラヤからの水が滔々と流れるガンガー(ガンジス河をインドではこう呼ぶ)。
ガンガーの聖水で沐浴すれば、全ての罪は浄められると信じられ、インド全土から多くの信者が訪れる、云わずと知れた、ヒンドゥー教最大の聖地である。

ちょうどダシャラの祭日と言うこともあり、街中が電飾でピカピカ・ギラギラしていて、厳かな「聖地」というイメージがいきなり崩れる(笑)
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夜、ヒンドゥー教の女神ドゥルガを拝する祈祷儀式(プージャ)を見に行った。手漕ぎボートに乗って、ドゥルガ・プージャの行われているガート(堤)へ。
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7人の高僧が煙・風・炎などを用いて祈祷している姿はとてもダイナミックで、オペラでも観ているような幻想的な感じさえ受ける。
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プージャが終わり、夜のガンガーをボートで静かに渡って行く。夜風に吹かれながら、遠くマニカルニカ・ガートに見える荼毘の炎の明るさを眺め、聖なるガンガーの流れに身を任せていると、ヒンドゥー教のことが知りたくなって、あれこれと質問してみた。
ガンガーに遺灰を流してもらえれば、輪廻から解脱できるとされているが、蛇に噛まれ死亡した人・妊婦・子供・高僧は、荼毘に付してもらうことが出来ない。その理由とは…

注: 解釈によって表現が異なる場合もあることをご了承ください
①蛇に噛まれてなくなった場合
インドに古くから伝わるアーユルヴェーダでは、蛇の解毒方法が記されているが、その方法を知っている人は滅多にいない。蛇に噛まれて死亡した場合、その遺体はアーユルヴェーダの象徴でもあるバナナの葉に包まれてガンガーに流される。バナナの葉は、蛇の毒がガンガーに浸透するのを防ぎ、またアーユルヴェーダに通じた者へのメッセージでもあるのだ。「この人は蛇に噛まれて死にました。アーユルヴェーダの解毒方法で、この人を生き返らせてください。」荼毘に付してしまっては、生き返る者も生き返れない。流れている間に、アーユルヴェーダ医師に見つけてもらい、手当てしてもらおう、という遺族の気持ちから。

②妊婦
医学的にも、母体の死後しばらくは、胎児は生存していると考えられている。母体の口からガンガーの聖水が体内に入り、栄養・刺激となり、胎児が生まれてくることが出来るかもしれない。

③子供
ヒンドゥー教では、8歳未満の子供は社会の構成員とみなされない。社会に貢献できずに亡くなったのなら、死後、聖なるガンガーに生きる生物(魚・イルカなど)たちの栄養となって、少しでも世の役に立たせてから天に昇らせてやりたい、という気持ちから。

④高僧
生きている時から神に近い存在であった高僧にとっては、死後に改めて浄められる必要は無く、その尊い魂は既に神の元へあり、体は無用である。ならば、ガンガーの栄養となりその体も有益に使用されるべきである。または、土葬され、その地において人々の救いとなるべく留まるべし。


以上のようなダナンジェさんの回答を聞きながら、一つ一つ、凄く納得して頷く自分がいた。なんだか、「まさにその通り!」と思えるほどの説明に、ヒンドゥー教の奥深さと合理性を見たようで、とても感慨深かった。

「ヒンドゥー教徒の体は、水・風・火・土・煙の5要素から出来ている」という話にも感銘を受けた。
人は死に、火によって燃やされ、煙となり天に上がる。体は灰になり、ガンガーの聖水へ流され、そしていつしかガンガーの土となる。

私はヒンドゥー教徒ではないし、感銘を受けたからと言って、ヒンドゥー教に改宗しようとも思ってはいない。ただ、インドの人々にとって、社会・家族よりも精神的に大部分を占める「ヒンドゥー教」というものが、どんなものであるか、何故そんなに熱心に信仰するのか、がおぼろげながらに理解できたような気がして、「インドって凄いなぁ。インドに生きているこの瞬間は有難いなぁ・・・」と素直に思えた。
…流石は聖地。私みたいな不真面目人間でも、少しは浄められたのかも(笑)


とあるガートで謳うようにお経を唱えていた修行僧。その体は、遺灰で浄められるため白くなっている。
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祖母のお骨は拾ったことがあるけれど、薪の上で荼毘に付される遺体を見たのは生まれて初めてだった。ガートで荼毘に付される何体もの遺体。燃える炎と上がっていく煙。
ハリスチャンドラ・ガート(結構大きな火葬場のガート)で、ボートに乗る前に見た時には、まだ下半身の形が分かる程だった火葬遺体が、プージャを終えて戻ってきた頃には、すっかり小さな塊にまでなってしまっていた。

自分の目の前数メートルの距離で、人間が焼かれ、煙と形を変え、次第に消えていく。遺体が燃え尽きて灰になるには3時間を要するそうだ。どんな身分であろうが、荼毘に付されるときは、皆平等に280キロの薪で燃やされるという。遺体が薪の上に載せられ、遺族(特に息子)の手によって、火が入れられる。そして3時間、遺族に見守られながら、燃え尽き天に昇っていく。
それは、想像していたよりも、極自然で、人間的で、慈愛に満ちた、自分も最後はこうしてもらいたいなぁ、と思える儀式だった。

鉄男もチーコも、すぐ近くで荼毘に付される遺体を見ていたが、私と同じように感じたのか、怖がらず、嫌がらず、じっと静かに見守っていた。とても貴重な経験が出来たことに感謝。今回の経験、子供たちの心に何かを残したことは確実だと思う。

火葬ガート近くの薪屋さん。
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荼毘に付され、天へ上る人々の魂が安らかにありますように…。


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[2009/10/10 23:08] | インド国内旅行 | トラックバック(0) | コメント(8)
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コメント

バラナシ行ってみたいけど、子供はきっと
怖がるやろなぁ~って思っててんけど、
怖いという感情ではなく、子供なりに
生死について肌で感じ取れるなんて
すばらしい経験したんやな!
私もガンガー行って、たるんだ根性を
たたきなおさなあかんわ。
朝から二度寝してる場合ちゃうな・・おほほ。
[2009/10/11 13:29] URL | matatabi #- [ 編集 ]
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[2009/10/11 20:43] | # [ 編集 ]

v-229<matatabiちゃん
バラナシ、私たちも最初は幼い子連れにはちょっとハードかなぁ、と心配していたんだけど、素敵なガイドさんの御蔭で、全くの苦労知らずで過ごせました。
小さい子供連れでも無理なく観光できるように、休憩時間を考慮し、歩行移動は最短に、危ない人混みも避けてくれたり・・・、と本当に助かりました。このガイドさん、お勧めです。
子供なりに、色々と感じたこともあるようです。何より「死」って身近なもので特別ではないのかも…、と思ったんじゃないかなぁ…。大人である私も、自然とそう感じられるような場所でした。行って良かったよ、バラナシ。matatabiちゃんも機会を作ってでも行ってみて!!
[2009/10/14 03:05] URL | aranyos #- [ 編集 ]

v-229<鍵コメのABさん
初コメントありがとうございます。
お子様、もう大丈夫ですか??ABさんも看病疲れの出ないように、休めるときに休んでくださいね。

バラナシに行かれた事があるんですね。しかも、頭まで浸かってガンガーで沐浴されていたとは!?
色々な意味でも凄い場所ですよね。行って良かったです。

また来月もイベントはあると思いますので、また決まり次第お知らせしますね。
[2009/10/14 03:11] URL | aranyos #- [ 編集 ]
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[2009/10/14 17:37] | # [ 編集 ]

気候の良いうちに、デリーに行こうかなと考えています。
日程的にバラナシは考えていませんでしたが、
やはり一度は「行って見るべし!」な場所なのだとわかりました。

我が家のお寺のお住職さん曰く、
死は不浄なものでも、必要以上に神聖なものでも、恐いものでもない、
ということを、子供は案外あっさり理解する、そうです。
それは、生きて大人になっていく上で、大切な智慧を与えること、だって。

とらうま~?とか考えないで、いつも自然に、大切なことを
伝えていらして、素敵なお父さん・お母さんですね。

[2009/10/15 10:44] URL | ノブコ #- [ 編集 ]

v-22<鍵コメのN.Tさま
ようこそインドへ~!お待ちしていましたよ!
渡印準備のあれこれや、小さなお子様を連れてのロングフライトなど等、本当にお疲れ様でした。
ちょうど先日、N・Tさんの同じ会社の方から、既にこちらに来られた、とお聞きしていました。頼れる先輩マダムが近くにいらして、とても心強いですね。
私のズボラ離乳食作り&殺菌方法については、過去日記でご紹介していますので、お手数ですがこちらを見ていただけますか?(→http://aranyos.blog62.fc2.com/blog-entry-518.html
また近々、お会いできる日を楽しみにしています。
[2009/10/16 04:08] URL | aranyos #- [ 編集 ]

v-229<ノブコさま
コメントありがとうございます。
そうですね、ちょっと涼しくなるこれからが、ちょうど観光シーズンです。日程的に無理が無いのであれば、バラナシもお勧めしますが、「涼しい」とは言っても30度以上はあるので(汗)、体力温存型でインドは楽しまれるのが良いかと思います。
でもやっぱり、タージマハルのあるアグラも素敵だし、風の宮殿のラジャスターンも良いし…、ってあっちこっち行きたくなりますよね(笑)
とても有難いお褒めの言葉を頂いたのですが、実際のところ、子供たちに生死について教えようと思って行ったのではなく、何処へ行くにも、「親が行きたいから」が一番の理由です…(汗)
こんな親だけど、背中を見て勝手に育っておくれ…、と願うしかありません(笑)
[2009/10/16 04:19] URL | aranyos #- [ 編集 ]
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プロフィール

aranyos

Author:aranyos
2006年4月家族でインド亜大陸に上陸。
心優しい夫のA-さん、鉄道大好きな息子の
鉄男、プリンセスにあこがれる娘のチーコ
と私に加え、インド生まれのピー助の5人家族。
インドでの目標は
*サリーを作る→次は着られるようにならねば!
*パンジャビスーツを作る→済み
*ヒンディー語にトライしてみる→講座終了
*インド料理を作れるようになる→修行中
*デリーにある全遺跡制覇→日々徘徊中
*国際交流の輪を広げる
「郷に入っては郷に従え」をモットーにインド
生活を楽しむぞ!

2010年10月15日を以て、インド生活に幕を下ろしました。
インド生まれのピー助が成人する2028年に、再びインドの地を踏みたいです!「インド再訪貯金」頑張るぞ~!
本帰国後、新たに、犬の「福ちゃん」も家族に加わりました!
《結論》
ボハット アッチャー!!インド生活!
(インド生活 最高です!!)

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